依存症治療に従事する看護師になるには

病院やクリニックを始めとする医療機関で働く看護師は、様々な診療科や医療分野で活躍することができる。
その中でも長期間にわたって患者との付き合いが必要になるのが依存症の治療についてである。
依存症といってもその種類は様々であり、よく知られているものとしてはお酒がやめられなくなって重篤な肝機能障害を引き起こすアルコール依存症がある。
また、犯罪行為に走って刑務所に入ることになりかねない性依存症や薬物依存症などがよく知られているであろう。
そのため、依存症の看護に従事するためにはそれぞれの依存症についてしっかりと知識を習得したうえで、その患者に合った看護サービスを提供する必要がある。

例えば、男性の性依存症患者は、女性を見ると性的衝動を抑えきれなくなる場合があるため、そもそも女性ではなく男性の看護師が担当したほうがよい場合がある。
逆に幼少期に母親などから虐待を受けた結果、母性を求めるあまりにアルコールに溺れてしまったような患者については、厳しく接することなく温かく見守る必要があるかもしれない。
患者に対する対処方法を間違えてしまえば、治療に要する期間が当初よりも大幅に長くなってしまいかねないのが依存症の特徴であるという点もしっかりと理解しておく必要があるだろう。
そのうえで、すぐに治療の効果が出るような病気ではないため、時間をかけてじっくりと患者と向き合う根気の良さも依存症を担当する看護師には求められるのである。
とても大変な仕事ではあるが、患者と真摯に向き合い症状の改善が見られた際などにはやりがいも感じられる。
患者に根気よく寄り添い、向き合って看護をしたい人には向いているだろう。